共有名義の不動産を処分する方法とは?メリット・デメリットと注意点を解説
目次
はじめに: 共有名義の不動産、なぜ処分が難しいのか?
不動産を相続したり、夫婦や兄弟で共同購入したりした場合、「共有名義」となることがあります。共有名義とは、一つの不動産を複数人で所有する形態のことです。単独名義の不動産とは異なり、共有名義の不動産は売却や活用に際して、手続きが複雑になったり、共有者間の意見が対立したりと、様々な問題が発生する可能性があります。
特に、共有名義の不動産を処分したいと考えたとき、「どうすればいいのか分からない」「他の共有者の同意が得られない」といった壁に直面する方も少なくありません。この記事では、そんなお悩みを解決するために、共有名義の不動産をスムーズに処分するための方法や、知っておくべきメリット・デメリット、そして注意点について詳しく解説します。
共有名義の不動産とは?
共有名義の不動産とは、一つの不動産を複数人で所有している状態を指します。例えば、相続で実家を兄弟3人で均等に分けた場合、各自が不動産全体の3分の1ずつを所有する「持分」を持つことになります。
持分は、その不動産を単独で所有しているかのように自由に売却したり、担保に入れたりすることが可能です。しかし、不動産全体を売却したり、賃貸に出したり、大規模な修繕をしたりする際には、原則として共有者全員の同意が必要となります。この「全員の同意」が、共有名義不動産の処分を難しくする最大の要因です。特に、共有者が多い場合や、疎遠になっている共有者がいる場合は、連絡を取ったり、意見を調整したりするだけでも大きな労力が必要になります。
共有名義不動産の処分方法3選
共有名義の不動産を処分する方法は、主に以下の3つが考えられます。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、状況に合わせて最適な選択肢を検討することが重要です。
全員の同意を得て売却する
共有者全員の同意が得られれば、最もスムーズに不動産全体を売却し、現金化することができます。売却益はそれぞれの持分に応じて分配されます。この方法の最大のメリットは、不動産の価値を最大限に活かせる点です。買主側も単独所有となるため、売却しやすくなります。
しかし、デメリットとして、共有者全員の合意形成が必須である点が挙げられます。売却価格や時期、売却活動の方針など、全員の意見が一致しないと手続きを進めることができません。意見の対立が激しい場合は、解決までに長い時間がかかることもあります。
自分の持分のみを売却する
他の共有者の同意が得られない場合でも、自分の持分のみを第三者に売却することは可能です。この方法は、共有者との話し合いがうまくいかない、あるいは早急に現金化したい場合に有効です。
しかし、自分の持分だけを買い取ってくれる人は非常に限られています。なぜなら、買主は他の共有者との関係を築く必要があり、不動産全体を自由に利用できないためです。そのため、通常の不動産売却相場よりも大幅に安い価格での取引になることがほとんどです。さらに、売却先が不動産投資会社などになると、共有関係がさらに複雑になる可能性もあります。
持分を買い取ってもらう
共有者の中に自分の持分を買い取ってくれる人がいれば、その人に売却する方法もあります。この方法なら、不動産の所有形態を維持したまま、自分だけが共有関係から抜けることができます。
この方法のメリットは、持分を売却しやすいうえ、他の共有者との関係を悪化させずに問題を解決できる可能性がある点です。しかし、共有者が持分を買い取るための資金がなかったり、売却価格で合意に至らなかったりするケースもあります。また、共有者が買い取りに応じない場合は、この方法は成立しません。
共有名義不動産を処分する際のメリット・デメリット
共有名義不動産の処分を検討する際は、そのメリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。
メリット
- 現金化できる: 不動産を売却することで、まとまった現金を手にすることができます。
- 維持管理の手間や費用から解放される: 固定資産税や修繕費用など、不動産を所有することによる負担がなくなります。
- 共有者間のトラブルを回避できる: 共有関係を解消することで、将来的なトラブルの発生を防ぐことができます。
デメリット
- 話し合いの難しさ: 共有者全員の同意を得るのが難しく、時間がかかることがあります。
- 価格の低下: 持分のみを売却する場合、市場価格よりも大幅に安くなる可能性があります。
- 税金や費用: 売却益が出た場合は譲渡所得税がかかるほか、仲介手数料や登記費用なども発生します。
共有名義不動産の処分で失敗しないための注意点
共有名義不動産の処分で後悔しないためには、いくつかの重要な注意点を押さえておく必要があります。
共有者間の話し合いが最も重要
どのような方法を選ぶにしても、まずは共有者間でしっかり話し合うことが不可欠です。お互いの希望や考えを尊重し、全員が納得できる解決策を探しましょう。話し合いが難しい場合は、手紙やメールなどで冷静に状況を伝えることも有効です。感情的にならず、客観的な視点で話し合いを進めることが成功の鍵となります。
専門家への相談を検討する
共有者間の話し合いが難航したり、持分のみの売却を検討したりする場合は、不動産の専門家や弁護士に相談することを強くお勧めします。専門家は、法的な観点や市場の動向を踏まえて、最適な解決策を提案してくれます。特に、共有名義の不動産を専門に扱っている業者であれば、よりスムーズな解決が期待できます。
共有物分割請求訴訟の最終手段を理解する
話し合いがどうしてもまとまらない場合、最終的な手段として「共有物分割請求訴訟」があります。これは、裁判所に共有物の分割方法を求めて訴えるものです。裁判所の判断に従うことになりますが、共有関係を強制的に解消できる有効な手段です。しかし、手続きには費用や時間がかかり、共有者との関係がさらに悪化する可能性もあるため、あくまで最終手段として考えるべきでしょう。
まとめ: 共有名義不動産の処分は計画的に進めることが大切
共有名義の不動産は、単独名義の不動産と比べて処分が難しいと感じるかもしれません。しかし、全員の同意を得て売却する、自分の持分のみを売却する、あるいは持分を買い取ってもらうなど、状況に応じた様々な解決策が存在します。
最も重要なのは、共有者との話し合いを重ね、全員が納得できる方法を見つけることです。もし話し合いが難航したり、どの方法を選べば良いか迷ったりした場合は、一人で抱え込まずに、不動産の専門家へ相談することをお勧めします。専門家のサポートを得ることで、より円満かつスムーズな問題解決が期待できます。計画的に進めることで、共有名義の不動産を負動産にせず、資産として有効に活用することができるでしょう。
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